こんにちは。チャクラのママです。重症心身障がい児の放デイ看護師で、【発達障害児支援士】として働いています。そして、自閉症スペクトラム、知的障害、DCD(発達性協調運動障害)の小3長男チャクラと、次男ちゅんころぴー、夫と4人暮らしです。長男は公立小学校の特別支援学級、知的障害級に通っています。
今日は、食事中、音を立てて食べたり、こぼしたり、犬食いになったり、口が閉じられない子。食事のマナーが苦手な原因とアプローチ方法をお教えします!!
食事中、口を閉じられない長男。その原因とは??
わが家の長男は食事のマナーが苦手です。口を閉じて食べられないので音を立てているし、食べこぼしもあります…。じゃあ、なぜそんなに発達デコボコっ子はそんなに身だしなみを整えるのが苦手なのか?その理由から、アプローチ方法を考えていきたいと思います!
食事のマナーが苦手な原因とは?
食事のマナーが苦手な原因は、以下が考えられます。理由が1つの子もいれば、複数の子もいるかと思います。
- スプーン、フォーク、箸、食器などの持ち方、手指の使い方が未発達
- 体幹の筋力がうまく育っていなかったり、うまく使えず、姿勢が崩れやすい
- 舌やほほ、口周りの筋力がうまく育っていなかったり、うまく使えていない
- 食べ物を見てどんな食べ物かを、見て観察する力が弱い(食べ物によって掬い方が異なることがわからない)
- 口にこぼさず必要な量だけ掬うための注意力が弱い
- 相手に自分の食べ方がどのような印象を与えるのか、想像が難しい(相手の立場に立って考えることが苦手)
- なぜ食事のマナーが必要があるのか、わかっていない
- 社会性が乏しく、食事のマナーに興味がない
- 「家だからまぁいいか」、「外だからあまり注意しない」など、周囲の大人の対応が一貫していない
食事のマナーが苦手な子へのアプローチ方法
ここからは、アプローチ方法を考えていこうと思います。
① スプーン、フォーク、箸、食器などの持ち方、手指の使い方が未発達
<スプーン・フォークの持ち方>

これが3指持ち(動的3指握り)と言われる、「握る」という発達段階の最終段階です。ここまでできれば、スプーンなどの操作も細かく動かせるようになり、コントロールして少量の食べ物を掬えるようになってきます。
三指持ちができていない時は、3指持ちしやすい『丸い、太い柄のスプーン』に変えたり、3指持ちになるよう動作を誘導したり段階的に教えてみましょう。
<食器の持ち方>
食べ物をこぼさないようにするには、
【食器を持つ➡食べ物を口に運ぶ➡口を近づける】
の動作が必要です。
食器を持つことが苦手だと、持たずに食べたり、掬いやすいように食器を操作できなかったりします。汁が垂れやすいものを食べる時には手を添えて食べることもありますが、実際の食器を使ってこぼさないことを意識することが大切です。うまく食器が持てない時は、前腕を机の縁で支える、それでも難しければ食器を机の上に置くのもいいでしょう。
もう一方の手で食器を支えることを意識つけるために、なるべく滑り止めは使わないようにしましょう。

<お箸練習ができる段階??>
お箸の持ち方!!の前に…。
実際の食事の場面というのは、椅子に安定して座り、正しい姿勢を保ち、左手はお茶碗を持ち、程よい高さで支えつつ取りやすいように適宜傾けるなどの動きも必要になります。右手は箸、左手はお茶碗と、ひと言でいうと簡単そうに聞こえますが、実際にはたくさんの身体の機能が無意識に使われています。これらの動きをすべてスムーズに行った上で、手の細かな指の動きが求められる箸は、とても難易度の高い運動であると言えます。これを周囲の大人は理解しておく必要があります!!!
そして、
- お子さんはじゃんけんのチョキができますか?
- クレヨンや鉛筆を正しく持てていますか?
これが『指先の動きの分離』が進んでいるかの目安の一つです。
指がうまく動かせたら、補助なし箸の練習ができる段階です。
もしもうまくできない場合は、補助箸を使う方がいい段階でしょう。
早い段階で実際に箸を使った練習に取り組むと、失敗体験が積み重なり、箸自体に苦手意識をもってしまう可能性があります。
<お箸の選び方>
オススメの補助箸は下記ですが、
お箸の長さは

次はお箸の練習方法!!!の前に…
覚えていますか?お箸を使っての食事は
『実際にはたくさんの身体の機能が無意識に使われている』のです。
いきなりお箸の練習をするのではなく、まずは安定して座っていられるようになるための身体の軸をしっかりつくることが大切です!!
そのためには、いきなりお箸の練習ではなく、あせらず身体全身を育てるのがオススメ!!
- ハイハイや手押し車などの全身を使った運動
- 重いものを押す、引っ張る、しがみつくなどの身体に力を入れ続ける運動
- トランポリンやバランスボールで上下に跳ねるなど重力方向への力が加わる運動
などが効果的です。
そして、手先の動きを育てる遊びとして、
① お箸でつまもう
お箸でつまんでお皿(茶碗)に入れてるあそびがオススメです。食事のときにお皿に手をそえるマナーも身につきますよ。
家にあるものでつまむものはたくさんあるので、買わなくてもOKです。
(例:ふわふわボール・まるめたティッシュ・切ったストロー・折った画用紙、丸めた粘土など)
練習① 大きくて軽いもの
はじめての練習には、つまみやすいポンポンや丸めたティッシュがぴったりです。
わが家は、100均でこの大きいサイズのポンポンを買って使いました。
練習② 小さくて軽いもの
なれてきたら、すこし小さなサイズに変更します。
練習③ 色々なかたちのつまみにくいもの
最後はいろいろな形のものをつまんでみましょう。滑りやすく、形や重さがバラバラなので、レベルはかなり高いです。
② お箸以外であそぼう
手先を器用にするためには、指先あそびと運動あそびどちらも大切です。
指先遊びでは粘土やハサミ、お絵かきなど、道具やモノを使いこなす遊びがおすすめです。
お手本の写真やイラストをみせる
箸を持つお手本になるように、イラストや写真などの画像をみせるのも効果的です。自分の持ち方とお手本を見比べることで、指の位置を意識するようになります。画像を見せる方法は、ひとりでコッソリ練習ができるのもメリットです。
生活の中で器用さをそだてる
箸をつかって練習するだけではなく、日常生活の中で手先を器用にする方法もあります。いつもしている行動が、実は指でモノをつまむ練習になっているのです。
- ボタンやファスナーのとめ外し
- 自販機でジュースを買う
- クツをはく・脱いでそろえる
- 靴下をひっぱりあげる など
ボタンつきのパジャマを着させる、自販機にお金をいれてもらうなど、生活の中で指先をつかう頻度をふやしていけるとよいですね。
いかがでしょうか?お箸の話が長くなってしまったので、今日はここまで!