【発達障害っ子ママで放デイ看護師が教える】不器用でリコーダーが吹けない…。その原因と、不器用でもできるリコーダーへのアプローチ方法をお教えします!

こんにちは。チャクラのママです。重症心身障がい児の放デイ看護師で、【発達障害児支援士】として働いています。そして、自閉症スペクトラム、知的障害、DCD(発達性協調運動障害)の小3長男チャクラと、次男ちゅんころぴー、夫と4人暮らしです。小3の長男は公立小学校の特別支援学級、知的障害級に通っています。

今日は、不器用でリコーダーがうまく吹けない!やっていても途中で『上手く出来ない!!!』と癇癪を起こしたり、それで音楽の授業がイヤ!!と、脱走したり…。もうすぐ音楽会なのに…。

そんな時の原因や対策をお教えします!

今日の参考文献


リコーダーに必要な要素とは?

発達障害や不器用な子にとって、手先を使うリコーダーは難題ですよね…。わが家の長男も、リコーダーに絶賛苦戦中です…。

では、リコーダーは難しさは何なのでしょう?リコーダーに必要な要素を考えてみましょう。

  1. リコーダーを支える 指を動かしやすく、穴を押さえやすいところに両手の親指を置いて、右手の親指と下唇でリコーダーを支えます
  2. 指づかい 指を動かして、見えにくい穴を、指の腹で隙間なく塞ぎます
  3. 協調動作 楽譜を見ながら指を動かしたり、左右の複数の指を複雑に動かしたりといった協調動作が必要です
  4. 楽譜を見る力、読む力 音を出したり、曲を演奏したりするには、運指表や楽譜を見る力、読む力が必要です
  5. 聴く力 音程にあった音を出すためには、音を耳で聞く力も必要です
  6. 息づかい 息を吹いて音を出すリコーダーは、音域によって息の強さが変わります(高音域は強めの息づかい、低音域は弱めの息づかい)
  7. タンギング 息の量や音の強弱を調節したり、音を区切ったりするために、舌を使って「トゥー・トゥー」 と吹くこと(タンギング)も必要です

リコーダーがうまく吹けない子は、上のどれかの要素でつまづいていることもありますし、複数の要素でつまずいていることもあると思います。

こんなにたくさんのことを同時に行う必要があるリコーダー演奏は、本当に高度な技術が必要と言えますね

わが家の長男は、手先は不器用で協調運動は苦手だし、記憶する力が弱いし、マルチタスクは本当に苦手…。そんな長男にとっては、リコーダーにはても難易度が高いと改めて実感中です…。

リコーダー問題別アプローチ方法

1.ピーっと高い音が出る場合

音が音程通りに出ないのは、指で押さえている穴に隙間ができ、空気が抜けていることが原因の1つです。低い音を出す時はたくさんの穴を塞がなければいけないため、うまく塞げていないとピーっと音がひっくり返ってしまいます。

また、指の長さや太さなどだけでなく、穴を抑える力が弱い時や、穴の位置が分かりにくい時も穴をうまく塞げません。そこへのアプローチを紹介します!

アプローチA. ふえピタ®

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「ふえピタ®」は滑りにくい素材を使用しているので、笛穴に合せて貼ることで弱い力でも笛穴を塞ぎやすくし、音漏れを防いでくれる商品です。

穴を上手く塞げないお子さんに出来る対策の1つです!わが家の長男も絶賛愛用中!!

ちなみに、『魚の目パット』でも同じようなことはできるそうです!安価ですが、色がペールオレンジなので、目立ってしまうのが弱点です…。

アプローチB. パンチ穴の補強シール

リコーダーは縦に持つため、穴の位置が分かりにくいですよね。そのため、穴を見えやすくするために、リコーダーの穴にパンチ穴の補強シールを貼るのもオススメです!色が付くことで、穴が見えやすくなりますよ!

アプローチC. 中部管、足部管の角度を変える

リコーダーを吹く姿勢は脇を少し開いてリコーダーを持ちますよね。それがうまく姿勢保持できない場合は、指が穴に対してナナメになってしまい、うまく押さえるられません。そのため、中部管、足部管を少し調整するのもおすすめです。

アプローチD. 指の腹で塞ぐよう教える

リコーダーの穴は、特に子どもの細い指の場合だと指の腹で塞ぐことで隙間なくきっちり押さえれます。指の腹で押さえるためには、指を少し曲げるようにして押さえるのがポイントです。これを教えてあげましょう!

(もし、手が大きい、指が長い子どもなら、手指が痛くならないよう、自分が押さえやすい方法を一緒探してあげてください)

アプローチE. 指かけを使う

指かけを使うと、リコーダーがすべり落ちずに持ちやすくなりますし、それによって指が動かしやすくなります!また、目印になるので、毎回同じ場所を持てるという、メリットだらけのアイテムです!

アプローチF. リコーダーの穴にマスキングテープやセロテープを貼って吹く

どうしても押さえにくい穴がある場合は、そこにセロテープやマスキングテープを貼ると確実に押さえることができるようになりますよ!

わが家の長男の場合、裏の穴をテープで塞ぐことで、前の穴を押さえることに集中できるようにしています!

最終手段 左右の手を入れ替える

これはわが家の長男が一時期していたアプローチです…。『指も動かないし、穴もしっかり押さえられないし、メロディーもついていけない!』とどうにもこうにもならなかった時、OTさんから『左手が上だから困るんだよね。なら右手を上にしちゃうのはどう?』と提案してもらいました。確かに、右利きの子はこの方がシラソを吹くのはラクです。

ただ、デメリットは、穴の構造上、低いドレが出せなくなります…。もうその辺りの難しい音を出す事を完全に諦める、最終アプローチです。

2.穴をうまく押さえられない場合

指の動かし方が未成熟だと、リコーダーをうまく支えられなかったり、指を独立させて動かすことが難しくなります。

  • リコーダーを持つとき、どの指もまっすぐになっている
  • リコーダーを持つとき、指を極端に曲げている
  • 指を動かすとき、他の指も動いてしまう
  • 穴をしっかり塞ぐことができない

アプローチA.  指先を揃えて、瓶の蓋を開ける練習

瓶の蓋を開けるためには、瓶の蓋の側面に指を揃えて扱う必要があります。これも指先の動きや、指先に力を入れる練習になります。

アプローチB. 指の動かし方の練習

指づかいがぎこちない場合は、指先を細やかに動かすなど、指の運動をしてみましょう。

  • 親指と、人差し指から順番に「丸」を作っていく(手指対立運動)
  • 指を1本ずつ順に動かし、1~5の指の形をキレイにつくる
  • 左右の指で違う動きをする
  • 指を見ないで、指示通りの形を指で作ったりする

3 メロディーに合わせてリコーダーを吹けない場合

リコーダーは指の感覚を頼りに、見えない穴を押さえる、それぞれの指をバラバラな動かすど、様々な動作を協調して行うところに難しさがあります。そんな時のアプローチを紹介します!

アプローチA. スモールステップで練習する

一気に曲全体を練習するのは、リコーダーが苦手な子にとってはかなり難易度が高いです。そのため、曲全部を毎回吹くのではなく、短いフレーズに区切って練習することがオススメ!

また、簡単に吹ける難易度の低い曲を選択するなど、課題を優しくすることや、あるいは本人が好きな曲でモチベーションを高める配慮もいいでしょう。

指使いがぎこちない時は、例えば右手でミファソだけ、左手でシラソだけと、簡単な指使いから練習しましょう。できるようになったら、徐々に難易度を上げていくのがいいでしょう。

アプローチB. 曲や楽譜を覚える

楽譜や指番号を覚えらる場合は、短いフレーズを覚えて練習をしましょう。楽譜や指番号を見すぎて指がおろそかになる時は、目に頼りすぎているのかもしれません…。

曲や楽譜を覚えてしまえば、指先の感覚に意識を向けたり、楽譜を頭の中で思い出しやすくなります。

アプローチC. 音楽の先生と相談

中学年以降の音楽の授業では、様々な楽器を使って合奏するシーンもあります。集団で演奏する時に1人だけ音が外れたり、遅れたりすると変に目立ってしまうことがあります。そのような苦い経験から音楽が苦手になってしまうのは悲しいですね…。ですので、リコーダーだけにこだわらず、主体的に色々な楽器にも挑戦したいと思える意欲が大事です。

リコーダーが難しいことを音楽の先生と相談し、簡単に指使いで演奏できる好きな曲を選んでもらったり、難しいところは歌や手拍子に変える工夫などの配慮を相談してみましょう。

「苦手なことや失敗は誰にでもある」と認め合い、スキルの上達だけでなく、一生楽しく音楽と付き合っていけるような関わりが大事です!!

今日の参考文献


いかがでしょうか?みなさんのリコーダーや音楽との関わりが少しでも楽しくなりますように!!

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